中小企業 経営者の組織再編、事業承継、ハッピーリタイアを後押しするM&Aのお手伝い

買い手にとってのM&A

買い手にとってのM&Aが成功かどうかの最終的な結論が得られるのは、購入後の会社の業績次第というのは当然ですね。

結局、M&Aは投資ですから、投資に見合ったリターンがなければ買い手としては失敗となります。

一方で、買った会社が、投資する際に見込んだとおりの技術・設備・人材・製品・マーケットシェアなどがあり、自社の技術・人材・製品などと上手く相乗効果(よく言われるシナジー効果ですね)が発揮できれば成功と言えます。このシナジーもよくセールスシナジー、コストシナジーの2つの側面から説明がされます。このセールスシナジーとは、両社が統合したことにより、売上げが両社を単純に足したもの以上増加する場合に、その売上げの増加のことを言います。これは両社が統合前のの販売先に統合相手先の製品を売却するなどして、売上高が増えるからです。一方で、コストシナジーとは、統合することにより管理部門の人数を減らしたり、仕入先を共通にして、コストを抑えることができることを言います。一般的にはセールスシナジーは当初予定していたよりも表れにくく、コストシナジーの方が表れやすいとい言われています。
また、外資系大手会計ファームによりますと、当初予定下どおりのシナジーが現れているとして、このM&Aは成功だとする割合は30%〜50%というアンケート結果が出ています。

つまり、半数以上が思ったほど良い結果が出ていない・失敗であるということです。厳しい数字ですね。

売り手はなるべく高く売りたいですし、一方で買い手はなるべく安く買いたいと思うのは当然ですが、買い手に数社が手を上げると思った以上に価格が高くなってしまいます。
買い手としては、最終的に投資金額を超過するリターンが得られる価格を、シミュレーションに基づき、DCF法などを使って算出するのですが、シミュレーションが現実よりもかなり「バラ色予想(つまり、シナジーが存分に発揮されるはずと予想する)」としますと、高く価格を設定しまいます。結果として失敗につながります。

野菜でも、焼き鳥でも、マグロの解体ショーでも、どんなものでも人が群がっていると、きっと良い物に違いないと思い、ついつい自分も欲しくなってしまいますが、M&Aでもまったく同じ心理だと思います。

成功されてお金があまっている方や、数年内に株式公開しようとしているが利益が足らない方、集めた資金の投資先に困っている方などは、すぐに会社を買おうとなされますが、価格付けにはくれぐれもご用心ください。現実を直視し、細心の注意を払って、必ず少数派の「成功」を勝ち取ってください。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 M&Aは東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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