中小企業 経営者の組織再編、事業承継、ハッピーリタイアを後押しするM&Aのお手伝い

M&A 交渉に必要な態度

M&Aで交渉はつきものです。売る方は高く売りたいし、買う方は安く買いたいので、普通はストレスがかかります。そして、それぞれは希望をかなえようと交渉の場に臨むのですが、まず申し上げたいのは、何事もそうですが、自分のことばっかり考えていたら、まったく上手くいきません。前に進むものも進みません。なるべく安く買い叩いてやろうとか、思いっきりふっかけてやろうという姿勢では非常に困難です。そうした姿勢では、信頼を得ることが出来ません。信頼のない人と手を組もう、自分の会社を託そう、従業員を託そうと思うでしょうか。そもそもお互いの会社のことが気に入ったから、お見合いの場にいるのですから、敬意を持って接しましょう。

私はこの交渉のときに、一番重要なのは、先方が最も望んでいることをなるべく早くつかむことだと思います。M&Aは、会社、経営者、役員、従業員、得意先、仕入先、金融機関等の様々なステークホルダーに関係するものです。M&Aを決断する経営者の方々も、必ずしもお金が最も重要事項だとは限りません。売り手経営者としては、従業員の雇用の維持こそが重要だという方もいらっしゃれば、体調の関係で早急な契約の締結を求めている方もいらっしゃいます。買い手としては、あの製造工場と特許権が絶対に欲しいとか、あの得意先が絶対に欲しいとか、欲しいものが通常は明確にあります。そもそもなぜM&Aを選択するのか、それぞれが相手先の戦略、バックグラウンド等に思いをはせましょう。その譲れない線を相互に把握しましょう。ここが把握できて、お互いがその点に関しては、譲歩できるものならば、余裕が双方にでてきますので、その後の交渉が非常にしやすいものになります。

そうは言っても、通常は売り手と買い手の提示金額は大きく乖離するのが普通です。この場合で、どちらかの一方が明らかに不合理な金額を提示して譲らないならば交渉は止めましょう。しかし、金額が一定の妥当な金額のレンジに入っている場合には、別の方法をとりましょう。

@.全株所有をあきらめる。50%超の株式を当初保有して、今後買い進めることにする。

A.役員退職金を支給して、現預金を減少させるか、負債を増加させ、純資産を圧縮し、評価額を減少させる。配当金として、社外に現預金を流出させるよりも、退職金は損金計上されるので、法人税法上有利である。所得税法上も配当金よりも退職金の方が有利である。

B.LBO(レバレッジバイアウト)で、買い手は資金調達する。これは買い手の調達資金を買収対象会社のキャッシュフロー(資産の処分価値を含む)とするものであり、余剰資金がある会社などの買収に適している。

C.Aと類似するが、買い手にとって、不要な高額な資産(土地や有価証券)を売却し、売却資金を社外流出させ、純資産を圧縮し、評価額を下げる。

お互いに是非この会社とと思うならば、まず相手のことを考えましょう。そうすれば、双方が受け入れられる無理のない妥協点が見つかるはずです。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 M&Aは東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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