中小企業 経営者の組織再編、事業承継、ハッピーリタイアを後押しするM&Aのお手伝い

中小企業のM&A 売り手・買い手の理由

未公開会社のM&Aの件数は、M&Aの件数全体の8割以上と言われています。M&Aの件数自体が増加傾向なのですから、中小企業のM&Aも当然に増加しています。

売り手の理由です。

1.新規事業を行うため
新規事業を行うとは、若手の経営者に時々ありますが、別の面白そうな事業シーズを見つけて、そこに注力したいときに、現在の事業を売却するというものです。

2.後継者不在のため
後継者不在は、中小企業の経営者が会社を売りたい理由の最も大きなものです。
まず、子供がいない場合があります。子供がいない場合は、優秀な幹部を後継者にと思うものですが、通常会社には借入金があり、その連帯保証人の社長はならなくてはなりませんが、それを嫌がる場合があります。また、それを嫌がらなくても、借入金の担保となる資産を持っていない場合があります。更に、会社の株式を譲渡したくても、業績が良い会社では株価が高くて、買取るだけの資金が幹部にはありません。従いまして、幹部を後継者にすることは、なかなか難しいのです。
次に、子供がいたとしても、経営者としての能力の問題があって、継がせられない場合があります。後継者は子供なら誰でも良いわけではありません。従業員の生活を担っているわけですから、従業員以上の実行力、責任感、コミュニケーション能力、分析力、交渉力、創造力などが求められます。こうした観点から合格点がつけられない場合は、継がせることができません。
更に、子供自身が継ぎたくないと言って、継がない場合があります。昨今の会社のライフサイクルはどんどん短くなっています。そうした中小企業の不安定さを嫌うこともあります。また、一流大学を出て、一流会社に就職していたり、医者や弁護士などの高給を得ていたり、芸術家としてその道に生きがいを感じたりしていて、会社を継がないこともよくあります。

3.事業の先行きが不安なため
経営者自身が、先行きに不安を感じている会社や関連会社や不採算部門を、売れるものなら売ってしまいたいと考えている場合です。

4.業績が悪化し、存続が難しいため
業績が悪化して、もはや自力では存続ができないと考え、倒産ではなく、売却したいと考える場合です。


買い手の理由です。

1.既存事業の強化のため(同業者、川下・川上産業)
買い手の理由としては、この理由がほとんどです。シェアの拡大や技術力の強化をはかるための同業者を買収や、販売部門の強化や製造部門の強化のために川下・川上の産業を買収することが挙げられます。

2.多角化戦略のため
資金が豊富な企業では、飽和した市場を持つ事業から、新たな飛躍をかけて新規事業に進出するために、他企業を買収することがあります。

このように、売り手も買い手も当然に理由があるのですが、売り手の最大の理由である後継者不足は、財務的に不安定で借入金の多い中小企業・少子化の進行・企業のライフサイクルの短縮等の中では構造的な問題かもしれません。また、日本・世界ともに金余りの中で、金融機関やファンドも資金的には豊富で、これが企業の買収資金の調達を容易にしている面もあると思います。世界ではサブプライムローンの影響があるようですが、日本はまだその影響をそれほど受けていないようです。しばらくは、日本の金余りは続くようですから、日本のM&Aも続くと思われます。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 M&Aは東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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