中小企業 経営者の組織再編、事業承継、ハッピーリタイアを後押しするM&Aのお手伝い

M&A パーチェス・プライス・アロケーション

パーチェス・プライス・アロケーションについてです。

これは買収した会社がM&Aに係わる取得原価を、被買収会社の資産及び負債に配分する作業です。例えば、買収会社が株価100円の株式を、M&Aに際して1000株発行したとすると、取得価額は100円×1000株=100,000円が取得原価です。この取得原価を被買収会社の企業結合日時点の時価を基礎として、被買収会社から取得した資産及び負債に配分します。この配分作業のことをパーチェス・プライス・アロケーションといいます。

このパーチェス・プライス・アロケーションで最も話題となっているのは無形資産の評価です。アメリカでは2001年から導入されていますが、日本ではこの2006年の企業結合会計からです。企業結合会計では、被買収会社のBSにない無形固定資産であっても、法律上の権利や分離譲渡可能ならば、無形資産を計上できることとなっています。例えば、開発の最終段階にある研究開発活動や特許権や商標権、フランチャイズ契約、顧客リストやデータベースなども含まれます。しかし、これを算定するのは現実にはなかなか困難な場合もあります。これらは、一般的には過去のコストの累計から算定するコストアプローチや実際の市場取引額を参考にするマーケットアプローチ、将来の経済的便益の合計の現在価値としてのインカムアプローチなどを用いて、算定します。一般的にはインカムアプローチが最も多く採用されていると思います。このインカムアプローチを利用して、商標権を10000と評価したとします。他の資産・負債は、現金10000、売掛金55000、貸付金35000、建物60000、機械装置20000、土地35000、投資有価証券10000、買掛金30000、未払金10000、借入金20000とします。

この場合、純資産は10000+10000+55000+35000+60000+20000+35000+10000-30000-10000-20000=95000となります。したがいまして、100000-95000=5000が識別不能な超過収益力としてののれんとなります。

原則として、日本の結合会計もパーチェスとなりましたから、こうした処理が必要となります。この取得原価の配分作業は企業結合会計基準上は企業結合日後1年以内に行えば良いのですが、四半期開示がある場合には、なるべく早い段階での確定が必要とされます。こうしたパーチェス・プライス・アロケーションのお手伝いも監査法人や会計事務所のお手伝いの範疇に入っています。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 M&Aは東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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