中小企業 経営者の組織再編、事業承継、ハッピーリタイアを後押しするM&Aのお手伝い

M&Aの従業員待遇

買収された会社の従業員についてです。

売り手の経営者は、どの従業員には買収後もずっと会社で働いてもらいたいと思います。元株主である売り手は、株式を売却して、ある程度まとまったお金を手にすることができるので、従業員にも幸せになってもらいたいと思うのです。自分だけお金を手にしてさよならすることに申し訳なさが少しあるのです。
一方で、買い手からすると従業員の雇用を当然に保証しようとは思っていません。M&Aは投資ですから、投資に見合うリターンを得られるかどうか、当然従業員もその観点からチェックされることになります。優秀な従業員には絶対に辞めてもらっては困ります。特に人材の個性が競争力の源泉という事業の場合にはその傾向が顕著です。そういう場合、買い手は売り手にこの会社に留まらせることを行動を真剣に行うように要請します。売り手もこの人がいなくなっては企業価値が下がる、売値が下がる、という意識がありますから、M&Aのタイミングで、その人にやらせる仕事の期間や質にも注意します。例えば、M&Aが終わるまでは、決して終わらないような長期的なプロジェクトにその人材を組み込んだり、またはこのM&Aそのものの進行責任者に組み込んだりします。一方で、不必要と思われる人材をあらかじめ売り手の責任で辞めさせることを求めることもあります。

私が持っている資料によると、1999年以降の合併について言えば、合併後、従業員数が約10%減少ているとの事です。また、合併当事者の事業に関連性がある場合は約13%減少し、非関連合併ではほとんど変化なし、救済合併では、20%程度の大幅な削減が行われているようです。

結構、やめています。コストシナジーは比較的表れやすいと言われますが、人数の減少はそれを如実に表しているように思います。コスト削減がかなりの確度で見込める分野です。

売り手の経営者としては、首切りはやめてくれという気持ちもよくわかりますす。しかし、当然、買い手は投資先としての評価ですので、人であろうとドライな処理となることもあります。売り手の経営者の方には一つの割り切りが必要だと思います。

それと、M&Aがありますと従業員の方には、福利厚生制度や退職金制度などいろいろと差異がでてきます。しばらく2制度の続行ということもありますが、新しい制度を作る場合や、どちらかに統一する場合、二つのうち良い方へ統合する場合といくつかのパターンがあります。こうしたことも経営者の頭を悩ませる問題ですし、従業員も気になるところだと思います。ここは求める統合のスピードやコスト、企業文化や風土との兼ね合いもありますので、慎重に検討が必要だと思います。どのような形であれ、従業員の多くの方が納得する形で落ち着かせることが大事です。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 M&Aは東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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