M&A LBO
LBO(レバレッジド・バイアウト)についてです。
LBOとは、会社を買収するに当たって、その買収資金を大半を有利子負債でまかない、この有利子負債を買収された会社のキャッシュフローで返済するというM&Aのファイナンス手法のことをいいます。MBO(マネジメント・バイアウト)とは、会社経営幹部が自らLBOを活用する場合のことを言います。
ちなみにレバレッジとは梃子(てこ)のことですが、借入金を利用して、より大きな投資を行うことを言います。少し、分かりづらいかもしれませんが、自己資金100の投資で得られる利益10とすると、他人資本(借入金)200を追加で利用して、利益をより大きく25にする、というイメージです。この借入金が梃子の原理のように利益を大きくするので、「レバレッジ」などと言われます。
典型的なステップは以前に記載した通りです。
@ファンドなどが受け皿となる会社SPCを設立する。
A受け皿会社が資金調達を行う。
この場合の借入金は通常はノンリコースローン(対象会社の株式と対象会社の資産のみが担保であり、SPCの出資投資家は担保保証をしない)です。
BSPCは借入金と出資金を原資として、対象会社の株式を買い取って100%子会社とする。
CSPCが対象会社を吸収合併する。
SPCの借入金は、対象会社のキャッシュフローで返済されることになります。
数字を入れてみます。対象会社の総資産20億円、総負債12億円、純資産8億円で、株価は10億円とします。つまりのれんが2億円です。SPCの資本金は3億円、借入金を7億円とします。以下簡便に仕訳を記載します。
@SPC設立する。
現金 3億円 / 資本金 3億円
A7億円を資金調達する。
現金 7億円 / 借入金 7億円
B対象会社の株式を100%買取る。
対象会社株式10億円 / 現金 10億円
CSPCが吸収合併する。
総資産 20億円 / 総負債 12億円
のれん 2億円 対象会社株式10億円
最終的なBSです。
(資産) (負債)
資産 20億円 借入金 7億円
のれん 2億円 負債 12億円
資本金 3億円
買収調達金である借入金を、買収会社の営業キャッシュフローで返済しますので、よほどの優良会社でないとなかなか困難です。